AIでKindle本を7冊出版。それでも売れなかった理由

 

AIを使えば、個人でも電子書籍を形にしやすくなりました。私も実際に7冊を出版しました。しかし、「出版すれば少しずつ売上が積み上がる」という期待どおりには進みませんでした。この記事では、手応えが薄かった理由と、これから変えることを正直に整理します。

この記事の結論
AIは本を作る速度を上げてくれますが、本を売れる状態にはしてくれません。大切なのは冊数よりも、「誰のどんな悩みを解決する本なのか」と「その読者が本を見つける道」を作ることでした。

なお、Next Agentでは「tadashi」名義で書いていますが、AI・意識をテーマにした研究や著作については「No Existe」名義で活動しています。今回出版した7冊も、その活動の一部です。

7冊出せば、何かが変わると思っていた

電子書籍には、在庫を持たなくてよい、発送の必要がない、一度出版すれば販売ページが残るという魅力があります。会社員や個人が小さな収入源を作る方法として、私にも現実的に見えました。

生成AIを使えば、構成案を考えたり、難しい説明を分かりやすく直したり、文章の抜けを確認したりできます。以前なら一冊を完成させる前に止まっていたかもしれませんが、AIの助けを借りることで7冊を出版できました。この点は間違いなく成果です。

一方で、「完成させる力」と「選ばれる力」は別でした。出版冊数が増えても、読者が存在を知らなければ読まれません。Amazonに登録した時点で仕事を終えた気持ちになっていたことが、最初の大きな勘違いでした。

出版した7冊

実際に出した本は、こちらの7冊です。

  1. 構えが世界を生む─非二元的生成論の思想
  2. AIとクオリア──構えなき生成の限界
  3. 魂のエンジニアリング──構えで世界は変えられる
  4. 重力は絶対ではない 未来人が授けたクエスト
  5. 発明家クエスト 奪い合いから調和へ、意識が再生成する未来
  6. 構えが世界を生む─見える世界と、見える前の世界を行き来した先人たち

直近の7冊目は、入門しやすいマンガ形式にしました。

関連書籍
マンガでAIの仕組みをざっくり知る
AIの仕組みをいきなり専門用語で追うのが難しい人は、マンガや図解で全体像をつかむところから入るのも自然です。

Amazonで見る

※このリンクはAmazonアソシエイトリンクです。

思ったほど手応えがなかった3つの理由

1.テーマが広く、選ぶ理由が弱かった

「AI初心者向け」「AIの仕組み」「副業の始め方」といったテーマには需要があります。ただし、需要があるテーマには、すでに多くの本があります。読者から見れば、似たタイトルが並ぶ中で、私の本を選ぶ明確な理由が必要です。

たとえば「AI初心者のための入門書」より、「50代の個人事業主が見積書と案内文を作るためのChatGPT入門」のほうが、対象と用途がはっきりします。広いテーマは多くの人に届きそうに見えますが、実際には誰にも強く刺さらないことがあります。

2.出版することがゴールになっていた

本を作っている間は、目次、本文、表紙、説明文など、やることがたくさんあります。そのため出版ボタンを押すと、大きな仕事を終えた気持ちになります。しかし読者にとっては、そこが本との出会いのスタートです。

検索されるブログ記事、SNSで紹介しやすい短い投稿、既刊から次の本へ進む案内など、本を見つけてもらう仕組みが必要でした。販売ページを置くだけでは、店の奥に商品を並べて看板を出していない状態に近かったのだと思います。

3.7冊が別々の商品になっていた

複数の本を出す強みは、一冊を読んだ人に次の一冊も案内できることです。しかしテーマや対象読者がばらばらなら、その強みを生かせません。

「AIの基本を知る本」「文章作成を試す本」「電子書籍を完成させる本」のように、同じ読者が順番に進めるシリーズなら、7冊は一つの学習コースになります。冊数を増やす前に、本同士の関係を設計するべきでした。

それでも、7冊出したことは無駄ではない

手応えが薄いと、「全部ダメだった」と考えたくなります。でも、出版しなければ分からなかったこともあります。企画を完成品に変える流れ、表紙を小さく表示したときの見え方、Amazonの商品説明で伝わりにくい部分など、実際に出したから見えた課題があります。

何より、ゼロから一冊を作る方法は身につきました。次に必要なのは、制作速度をさらに上げることではなく、読者の悩みを深く理解し、一冊ごとの役割を決めることです。

これから変える5つのこと

本を書く前に、対象読者と解決する悩みを一文で決める。
Amazonで競合本を調べ、同じ内容を言い換えただけの企画を避ける。
Next Agentに関連する実践記事を書き、本を見つける入口を作る。
既刊の巻末に、次に読む本や無料資料への案内を入れる。
出版後も、表紙、タイトル、説明文、導線を定期的に見直す。

特にNext Agentでは、完成した本を宣伝するだけでなく、「なぜこの企画にしたのか」「どこで失敗したのか」「何を変更したのか」を記録していきます。一般論を並べるより、実際に試した過程のほうが、これから挑戦する人の役に立つはずです。

目指すのは、不労所得より"小さな資産"

電子書籍は、出版した瞬間から完全な不労所得になるものではありません。情報が古くなれば更新が必要ですし、読者に見つけてもらう活動も必要です。それでも、一度作った本や記事が別の作品を紹介し、しばらく働き続けてくれる状態は作れます。

ブログ記事から本へ、本から無料チェックリストへ、さらに次の実用的な商品へつなげる。音楽やWebアプリも、単独で終わらせず記事の題材や集客の入口として使う。そうやって小さな制作物をつなぐことが、私にとって現実的な資産づくりだと考えています。

7冊出しても、大きな手応えはまだありません。ただ、何が足りなかったかは以前より見えるようになりました。次は「何冊出したか」ではなく、「誰の役に立ち、次につながったか」を基準に作っていきます。


AI・意識をテーマにした研究活動について詳しく知りたい方は、note(pazeamor)もあわせてご覧ください。

おすすめの記事