
Search Consoleは毎日見ています。表示回数、クリック、平均掲載順位。ひととおり追いかけていたつもりでした。
それでも、見つけられなかった不具合が6件ありました。しかも1件は、記事1本の表示に37秒かかっているという、かなり大きなものです。運営しているブログ4サイトで、この1〜2週間に実際に踏んだものだけを並べます。
先に結論:6件のうち5件は「別の画面」で見つかった
| 症状 | Search Consoleで分かる? | 実際に見つけた場所 |
|---|---|---|
| 記事1本の表示に37秒 | × 分からない | ブラウザのコンソールでURL種別ごとに実測 |
| アフィリIDが別サイトのもの | × 分からない | ASPのリンク作成画面の初期値 |
| 収益導線が14記事で欠落 | × 分からない | WordPressのREST APIで数え直し |
| 記事一覧の説明文が全部同じ | × 分からない | 自分のサイトの一覧ページを目で見る |
| X埋め込みの写真が出ない | × 分からない | 公開ページでiframeの高さを測る |
| 順位1位なのにクリック0 | △ 気づけるが原因は別画面 | Search Consoleの「生成AI機能」レポート |
Search Consoleは「検索結果でどう扱われたか」を教えてくれる画面です。サイトの中で何が壊れているかは、基本的に守備範囲の外なんですよね。当たり前といえば当たり前なのですが、毎日見ていると「ここを見ておけば大丈夫」という気になってきます。そこが落とし穴でした。
1. 記事1本の表示に37秒かかっていた
体感で「なんか重いな」とは思っていました。ただ、トップページは速い。だから「サーバーが遅い」でも「インデックスの問題」でもないはずで、原因が分からないまま放置していました。
ブラウザのコンソールから、URLの種類ごとに1つずつ測ったら出てきました。
| ページの種類 | 表示までの時間 |
|---|---|
| トップ | 151ms |
| 固定ページ | 121ms |
| 404 | 60ms |
| タグ一覧(問題の記事を含まない) | 122〜134ms |
| タグ一覧(問題の記事を1本含む) | 7,641ms |
| 記事ページ | 37,658ms |
犯人は、記事本文に直接貼っていた外部サイトの画像タグでした。WordPressが本文を整形するときに外部の画像を取りに行って、返ってこないままタイムアウトする。1本あたり約7.6秒です。
ひどいのは、これが記事単体だけの問題ではないところ。カテゴリー一覧、タグ一覧、関連記事、おすすめ記事。その記事がカードとして並ぶ場所すべてで7.6秒が積み上がります。記事ページが37秒だったのは、関連記事とおすすめ記事に該当記事が5本ほど入っていたからでした。
該当26本を共通コンテンツのショートコード経由に置き換えたら、37,658ms → 147ms。広告の表示は何も変わっていません。ショートコードの展開は本文整形より後なので、外部画像を取りに行く処理に引っかからないんですね。
2. アフィリエイトIDが、別サイトのものになりかけた
ASPの管理画面でリンクを作ろうとしたら、アフィリエイトIDの初期値が、別に運営している サイトのIDになっていました。
そのまま発行して貼っていたら、成果は全部そっちのサイトに付いていたはずです。金額が動いてから気づくタイプの事故で、しかも「なんか成果が付かないな」と思いながら数か月過ごすことになります。
複数サイトを1つのASPアカウントで運営している場合、リンクを作るたびにIDを目で確認するしかありません。これは仕組みで防ぎにくい種類のミスです。
3.「収益導線は入っている」が思い込みだった
自分用の運営メモに、こう書いてありました。
82記事中80記事には導線が入っている
2記事だけ抜けている、と。それを前提に半月ほど動いていました。
数え直したら、83記事中14記事に無かったんです。
REST APIで「収益ブロックを含まない記事」を抽出しただけです。5行くらいのコードで済みました。それを、書いた本人が信じていた1行のメモのせいで、ずっとやらずにいた。
アクセスがある記事に導線が無いのは、いちばんもったいない状態です。記憶ではなく機械で数える。これに尽きます。
4. 記事一覧の説明文が、108本ぜんぶ同じになった
これは自分でやらかしたやつです。
ある案内リンクを全記事の冒頭に入れました。導線としては正しい位置です。ところがテーマが記事一覧のカード説明文を本文の先頭から自動生成する仕様だったので、108記事すべてのカードに同じ一文が並びました。
厄介なのは、WordPressの「抜粋」欄に正しい説明文を入れても効かなかったことです。テーマが抜粋欄を見ていませんでした。
直し方は単純で、リンクをリード文の直後へ移すだけ。ついでに、もともと説明文が変だった17記事(本文の先頭がボタンだった)も一緒に直りました。
Search Consoleでは絶対に分かりません。自分のサイトの一覧ページを、読者と同じように眺める。それだけで見つかります。
5. X埋め込みが、文字だけで写真が出ていなかった
記事にXの投稿を埋め込んでいたのですが、写真が表示されず、文字の引用だけが出ている状態でした。
切り分けた結果はこうです。
- 埋め込みページ単体で開く → 正常(高さ843px)
- 記事ページ上 → 550×0px
- 記事ページ上で埋め込みを新規に生成 → これも0px
- iframeに高さを強制で与える → アイコンも本文も写真も完全表示
新規に作ったものまで0pxになるので、記事の書き方の問題でも、投稿個別の問題でもありませんでした。読み込みも描画も成功していて、高さを親ページへ返す通信だけが届いていない。テーマの遅延読み込みを切っても変わりませんでした。
まだ根本原因は特定できていません。ただ、「何が原因ではないか」が4つ確定したのは大きい進歩でした。原因調査って、だいたいこの引き算で進みます。
6. 掲載順位1位なのに、クリックが0だった
これだけはSearch Consoleで気づけました。平均掲載順位1.6位、表示41回、クリック0。4つのクエリが同じ記事に着地していて、全部0です。
最初はタイトルが長すぎる(45文字)せいだと思いました。ディスクリプションも自動生成のままでしたし。ただ、本文は5,600字あって中身が薄いわけでもない。
原因が分かったのは、Search Consoleの「生成AI機能」レポートを開いたときでした。ページで絞り込むと、AI概要の中での表示回数が出ます。
28日間のAI内表示461回のうち、90%がたった2記事に集中していました。答えがAI概要の中で完結してしまって、クリックする理由が無くなっていたわけです。
そして記事の型ごとに数字が割れていました。
| 記事の型 | CTR |
|---|---|
| 「AとBの違い」型 | 3.2% |
| 「どこが一番いい?」型 | 10.2% |
違いを説明するだけの記事は、AI概要が代わりに答えてくれます。選択肢が3つ以上あって、条件によって答えが変わる問いは、まだクリックが残る。同じジャンル・同じサイトでの実測なので、この差はけっこう信用しています。
6件に共通していたこと
並べてみて気づいたのは、原因の種類がバラバラなのに、見つからなかった理由は同じだったことです。
- 1つの画面だけを見ていた。Search Consoleは検索結果の話しかしません。サイトの中身は別の場所で測ります
- 自分のメモを信じていた。「80記事に入っている」は、書いた時点では正しかったのかもしれません。数え直す習慣が無かった
- 読者と同じ画面を見ていなかった。記事一覧を眺めるだけで分かることを、管理画面からは見つけられません
- 「たぶんこれが原因」で止めていた。タイトルが長い、サーバーが遅い。全部それらしくて、全部違いました
特別な技術は要りませんでした。使ったのはブラウザのコンソール、REST API、自分のサイトを普通に開くこと。「測る場所を変える」だけで6件出てきます。
よくある質問
Search Consoleを見る意味がないということですか?
いえ、逆です。6件目はSearch Consoleでしか見つかりません。順位が高いのにクリックが0、という気づき方は他の画面ではできません。言いたいのは「Search Consoleだけでは足りない」で、「見なくていい」ではないです。
表示速度はPageSpeed Insightsで測れば分かりませんか?
トップページだけ測ると速いという結果が出ます。実際トップは151msでした。URLの種類ごとに測るのが要点で、記事・カテゴリー一覧・タグ一覧・404を分けて比べると差が出ます。
どのくらいの頻度で数え直せばいいですか?
記事を10本以上まとめて触ったあとと、月1回で十分だと思います。大きく触った直後がいちばん壊れやすいので、4番のように自分で作った不具合はそこで見つかります。
AI概要に食われている記事はどうすればいいですか?
まず「生成AI機能」レポートで数字を確認するのが先です。AI内表示が総表示の1割を超えているなら型ごと変える価値があります。0ならCTRが低い原因は別にあるので、タイトルやディスクリプションを疑うほうが早いです。
おわりに
6件のうち、自分で作ってしまった不具合が2件ありました(4番と、実は1番も自分で貼った画像タグが原因です)。手を動かした分だけ壊れるというのは、まあそういうものだと思うことにしています。
大事なのは、壊れたことより壊れたまま気づかない期間の長さのほうですね。37秒の記事を何か月も放置していたのが、いちばん高くついた気がします。
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